10年壊れていたサイトを直したら、消えたはずのゲームが出てきた

2026-08-04

きっかけは、ただのメールの設定でした。

メールサーバーの設定(MXレコード)を直そうとドメインの管理画面を開いたついでに、Aレコードが目に入りました。「これ、自分で直せるのかな」。それだけの好奇心のつもりでした。

そこで思い出したのが、旧scgf.net(XOOPS)の存在です。実はこのサイト、10年近くデータベースのエラーでまったく見られなくなっていました。表向きは何も無いのと同じ状態が、10年近く続いていたことになります。

実はWayback Machineには、2015年5月10日時点のscgf.netがそのまま残っています。開いてみると、こう表示されていました。

This page cannot be displayed due to an internal error.

(中略)

Error Xoops: Unable to connect to database in file class/database/databasefactory.php line 34

set_magic_quotes_runtime()や「参照渡しでのnew」といった、当時のPHPではまだ許されていた書き方への非推奨警告も並んでいます。10年という歳月の中で、サーバー側のPHPとMySQLがそれぞれ静かにバージョンアップされていき、当時のXOOPSのコードがそのバージョン差に耐えられなくなっていた、というのが実際のところのようです。少なくとも2015年の時点で、すでにこの状態でした。

せっかく管理画面を開いたのだからと、まずはこのデータベースを直すことにしました。直してみると、サイトの中身が丸ごと出てきました。ここから、抜け出せなくなりました。

利用規約は、TinyDというモジュールの中に眠っていた

XOOPSにはTinyDという文書管理用のモジュールがあります。ページを作ってツリー状に整理できる、いわば簡易CMSのようなものです。旧サイトの管理画面を漁っていたら、そこに2003年版のソフト利用規約がそのまま残っていました。

内容には手を入れませんでした。URLの部分だけhttpsに直して、あとは原文のまま/terms/として復元しています。今の感覚だと表現が古い部分もありますが、当時の言葉をそのまま残しておく方が、資料としての価値があると判断しました。

公開年が、4作とも2008年になっていた

新サイトに移した直後の食い逃げ野郎シリーズは、1作目から4作目まで全部「2008年」という表記になっていました。おそらく移行作業のどこかで、リリース年ではなく別の日付が紛れ込んだのだと思います。

これはさすがに直さないといけない、とWayback MachineとVectorの過去記事を突き合わせて年表を洗い直しました。その過程で見つけたのが、Vectorの「新着ソフトレビュー」に載っていた2002年10月19日付の食い逃げ野郎2のレビューです。掲載されている「ソフト作者からひとこと」のコーナーには、シリーズの生みの親であり長年の友人でもあるフォウルが、当時こう書いています。

逃げるゲームを作りたいと思い、「RPGツクール2000」では簡単に制作できるため、あっという間に完成させたのが「食い逃げ野郎」というゲームです。しかし、ただ逃げるゲームではおもしろくないので、食い逃げというちょっと笑ってしまうような犯罪を題材とし、たかが食い逃げにそこまでするのか? という不自然さをギャグとして盛り込みました。そして、友人から「おもしろい!」という意見を聞き、いけるか?! と思い、続編となるこの「食い逃げ野郎2」を作成しました。

レビュアーの秋山俊さんによる本文も含めて、24年前の記事がそのまま今もVectorに残っています。このレビューのおかげで、1〜3作目が2002年、4作目が2003年という正しい年表に直せました。移行作業のどこかで紛れ込んだ日付より、当時の第三者の記事の方がずっと正確だった、という話です。

掘っていたら、覚えていない続編が出てきた

年表を直すために旧サイトのダウンロードフォルダを一つずつ見ていたとき、見覚えのないファイルが出てきました。「食い逃げ野郎5」。4作目を作り終えたあと、5作目にも手を付けていたようです。

開いてみると、タイトル画面がRPGツクール2000のデフォルトのままでした。つまり、ロゴを作る前の段階で止まっている。中身を進めるとオープニングまでは動くので、体験版として一度は世に出したものの、完成には至らなかったのだと思います。

見つけた瞬間、記憶がピーンッと繋がる音がしました。忘れていたわけではなく、どこかにしまい込んでいた記憶に、ファイルの実物が触れた感覚です。

この体験版は/play/でそのまま遊べる形にしました。19作品の一覧には入れていません。あくまで食い逃げ野郎シリーズのページの中で、「幻の第5作」として見つけた人だけが遊べる、隠しコンテンツのような扱いにしています。

FAQも12件、当時の言葉のまま

旧サイトには攻略に関するFAQのページもありました。プレイヤーから寄せられた質問と、それに対する回答が12件。こちらも折りたたみ式にして/faq/にそのまま移しています。

読み返していて印象に残ったのが、「ゲーム実況・配信で使ってもいいですか?」という質問への回答でした。

はい、どうぞ!当サイトのゲームの実況・配信・動画投稿に、事前の確認や許可は必要ありません(収益化されている配信でもOKです)。

2000年代のフリーゲームサイトとしては、かなり早い段階でこの答えを用意していたことになります。当時のSCGF.NETを、今になって少し見直しました。

今、全部ブラウザで遊べる

データベースを直し、利用規約もFAQも年表も幻の第5作も救い出したあと、今のNuxt製scgf.netを一から作りました。復旧させた旧XOOPSサイトはold.scgf.netに移して、今もそのまま残してあります。

10年見られなかったサイトです。データベースを直さなければ、この資料たちは今も誰の目にも触れないままだったと思います。今回きっかけになったのはメールの設定という、ゲームとは何の関係もない作業でした。

食い逃げ野郎シリーズはシリーズページから、幻の体験版も含めて全部ダウンロード不要で遊べます。利用規約はこちら、当時のFAQはこちらにまとめてあります。

このサイトについて(少しだけ)

SCGF.NETは2002年から続く自作ゲームサイトです。作りながら分かったこと、掘り返しながら見つけたことを、そのまま記録に残していくつもりです。テック系の記事は #テック タグからまとめて読めます。

参考・引用元